ギリシャ神話を知れば星座がもっと身近に!代表的な春夏秋冬の8星座

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星座がいくつあるか、ご存じでしょうか?

答えは88です。

本当はもっとたくさんあったのですが、1922年に国際天文学連合で88に定められました。

地図も時計も無かった時代、昔の人たちは星座で方角や季節を知りました。
昔は夜の明りも少なかったでしょうから、星空も現代よりずっと美しく見えたはずです。
そしてその星々の光から物語を紡いでいきました。

今回は88の星座の中から8つの星座と、それにちなんだ神話をご紹介します。
神話を知ることで、星の観察がもっと楽しくなるはずですよ。

【春の星座】
おおぐま座
【夏の星座】
さそり座・はくちょう座
【秋の星座】
ペガスス座・カシオペヤ座
【冬の星座】
おうし座・オリオン座・ふたご座

春の星座

ゼウスの浮気から生まれた、おおぐま座

春の天体観察では、まず北斗七星を探すところから始まります。
北斗七星は、実はおおぐま座の胴体からしっぽの部分にあたります。
おおぐま座は一年中見ることのできる星座ですが、4月末から5月にかけて空高くのぼり、一番見えやすくなります。

古代ギリシャの神話によると、この熊は実は、月の女神アルテミスの侍女・カリストでした。
美しすぎるカリストは大神ゼウスとの子どもを身ごもりました。
大神ゼウスには妻がいたため、月の女神アルテミスは怒り、ゼウスの妻であるヘラによってカリストの姿は、熊に変えられてしまいました。

その10数年後、カリストの子どもアルカスは、母親である熊のカリストと出会いました。
しかし、アルカスはカリストと気づかず、その熊を倒そうとします。
かわいそうに思った大神ゼウスは、カリストとアルカスを、母熊(おおぐま)と子熊(こぐま)の星座にしたとされています。

夏の星座

オリオン座の永遠のライバル、さそり座

夏の天体観察でさそり座を見つけるには、赤い星を探しましょう。
アンタレスという赤い一等星で、さそりの心臓にあたる位置にあります。
さそり座は、左下に向かってアルファベットの「J」のような形をしていて、縦に3つ並んでいるのが、さそりのハサミです。

ギリシャ神話によると、さそりは勇者オリオンを殺しました。
ですので、さそり座とオリオン座は、同じ空に見えません。
さそり座が東からのぼってくると、オリオン座は西に沈んでしまいます。
オリオンはさそりを怖がっているのです。

まるで酔っ払いの顔のように赤いアンタレスは、日本で「酒酔い星」とも呼ばれています。

鳥になったゼウス、はくちょう座

夏の星座であるはくちょう座は、大きな翼を広げた鳥の姿をしています。
白く明るい星が、一等星のデネブです。

ギリシャ神話では、この白鳥は大神ゼウスがスパルタの王妃レダのもとを訪れるときに変身した姿だといわれています。
レダを気に入ったゼウスですが、レダには夫がいるため、ゼウスを避けていました。
そこでゼウスは、白鳥に化けてレダに近づいたのです。
レダは、白鳥をゼウスだと気づかず可愛がりました。
そしてレダは卵を生み、そこからはカストルとポルックスという双子の兄弟が生まれたのです。
この双子が、ふたご座といわれています。

はくちょう座は大きな十字架のようにも見えるため、ヨーロッパでは「北十字」ともいわれ、日本では「十文字星」という別称があります。

秋の星座

魔物の血から生まれたペガスス座

秋にペガスス座を見つけるには、まず大きな四角形を探します。
この四角はペガススの胴体にあたり、「秋の四辺形」とも呼ばれています。
下がペガススの頭、上の二本はペガススの前脚です。
ペガススの後ろ脚は、雲に隠されて見えないとされています。

ペガススは、見るものを石に変える魔物メデューサと勇者ペルセウスが戦ったときに、メデューサの血が降り掛かった岩から現れたといわれています。
メデューサを倒したペルセウスは、このペガススにのって祖国に帰ったのです。

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