地球のただ一つの衛星、月。
私たちにとって、とても身近な存在です。
たとえば世界の国旗には、月を描いたものがたくさんあります。
月の模様も日本では「うさぎの餅つき」、アメリカやインドでは「ワニ」、ヨーロッパでは「女の人の横顔」「おばあさん」など、さまざまなものに見立ててきました。
日によってまんまるだったり、欠けていたりとちがう姿を見せるのも、私たちが月に惹きつけられる原因のひとつといえるでしょう。
今回は、そんな月のふしぎに迫ります。
月の歴史
まずは、月の歴史から触れていきましょう。
月はどうやって生まれたのか?
月はどうやって生まれたのでしょうか?
ここでは有力とされるジャイアント・インパクト説をご紹介します。

約46億年前、地球は宇宙のガスやちりが集まって生まれました。
そして生まれたばかりの地球に、火星ぐらいの大きさ(地球の約半分)の別の天体がぶつかりました。
ぶつかったときにできた欠片が、地球の周囲を回りながら引力によってひとつにまとまって、月になったとされています。
月の凸凹クレーターの正体は?
およそ41億年から38億年前、水星・金星・火星・そして地球に向けて、たくさんの隕石が降り注ぎました。
「後期重爆撃期(こうきじゅうばくげきき)」と呼ばれています。

それらは、もちろん月にも降り注ぎ、たくさんのクレーターを作りました。
凸凹(でこぼこ)とした大きなクレーターの中には、直径が200キロメートルを超えるものもあります。
月の石から年代を測定することにより、月の大きなクレータのほとんどは、この時代にできたということが分かっています。

月は最初、地球のすぐそばを回っていましたが、次第に遠ざかっていき、現在の位置になりました。
そして現在も、1年に約3cmの割合で地球から遠ざかっているんです。
人類が初めて月に着陸したのはいつ?
1969年7月、人類はアポロ11号に乗って、初めて月に着陸しました。

アポロ11号には3人の宇宙飛行士が乗っており、日本でもテレビで放送されて注目を集めました。
このアポロ計画では、月面に月を調べる計測器が設置されました。
そこから、月にも「月震」と呼ばれる地震があることなどが分かっています。

これが人類が月にしるした最初の一歩です。
ニール・アームストロング船長は「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大いなる飛躍である」と述べています。
月は、人類が自らの足で到達した最も遠い場所です。
月を知る
月の歴史と、月×人類の歩みを紹介しましたが、月はまだまだ奥が深いものです。
私たちは当たり前に過ごしている中でも、知らないうちに月のチカラに依存しているんですよ。
月までの距離はどれくらい?
地球から月までの距離は、約38万キロメートル。地球を横に約30個並べた長さです。
徒歩だと約11年、新幹線(時速300キロメートル)だと約53日、飛行機(時速1,000キロメートル)だと約16日かかります。

光の速さだと、月までは1.3秒です。
光は宇宙でもっとも速く、1秒で約30万キロメートル進みます。
また、地球から太陽までは4,960万メートルあり、光の速さだと8分19秒。
つまり、今見ている太陽の光は、8分19秒前に太陽を出発した光、ということです。
潮の満ち引きと月との関係
海の潮が、満ちたりひいたりするのはなぜでしょうか?

それは、遠くの月が地球の海水を引力で引っ張っているからです。
月の正面を向いた地球の海水は、月の引力で引っ張られて盛り上がり、満潮になります。

逆に、地球の反対側は月から遠ざかることで引力が弱まり、海水が引っ張られずに取り残されてしまうので、こちらも満潮になります。
そして、月から90度ずれたところが干潮になります。